駆け抜けた少女【完】

第十一話*亀裂


八月終盤に差し掛かった本日、土方は幹部数名を集めた。


といっても、この度集める理由が矢央についてだったので、矢央の事情を知った者達だけであったが。


副長室に集まったのは、近藤、山南、井上、沖田、永倉、藤堂、原田、山崎と土方を含んだ九名。


皆が寝静まった深夜になろう時刻のことであった。



「ふぁあ〜、土方さん…眠いです」

急に呼ばれた沖田は、抗議の目を土方に向けるが、本人は全く気に止める様子はない。


一度集まった面子を見回し、一呼吸したあと話始めた。


「矢央が、お華と接触したらしい」


「は?」


そう漏らしたのは、原田だ。


亡くなっているお華と、どうやって接触するのだ。

可笑しなことを言わないでくれと、原田も苛立った。


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