駆け抜けた少女【完】


障子を開けた永倉達を待っていたのは、仲良く隣り合わせになりうつ伏せになって見上げる、矢央と沖田の姿だった。


「ほらほら、矢央さん。噂したお二人が帰って来ましたよー」


そう沖田が言うので、永倉、原田は一緒になって首を傾げた矢央を見下ろす。


すると、にこーっと満面の笑みを浮かべた矢央。


なぁんか、まずい時に戻ったみたいだな。


と、永倉が原田を見れば、思いが伝わったかのように頷いた。


「永倉さん、原田さん……"島原"って、なんですか?」

「…………」


固まった二人と、どんな答えが返ってくるのかと楽しみに待つ笑顔の少女、その隣で腹黒く微笑んだ沖田。


背中に嫌な汗をかいたのは、永倉、原田だった。



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