妖魔03(R)〜星霜〜
チェリーを見たら、カメリアの事を思いだして再び涙が溢れ出てくる。

「ごめん、ごめんな」

「おにい、ちゃん?」

「俺は、お前を」

「ブヒ!」

豚が飛び上がり俺の顔面に蹴りを入れた後で、壁を蹴って三角飛びで元の場所に戻る。

何ていう運動神経だろうか。

その後、二足歩行で歩くという異常な光景を目の辺りにする。

「いてえ」

豚は俺に言うなと伝えたいのだろうか。

無茶苦茶に感情を発散させたいところだが、我慢は必要だというところだろう。

今、原因を言う事ではない、か。

しかし、俺の言わんとした事が解ったようなタイミングだった。

もしかすると、俺とレインの話を盗み聞きしていたのか。

「盗み聞き?」

まさかとは思う。

でも、無駄に窓から飛び入るような運動を毎日していれば、妖魔の豚といえ三角飛びを可能にするのではないだろうか。

いや、無茶苦茶な理由だっていうのは、自分だって解っている。

だけど、あの馬鹿さ加減は何事にも応用出来るんじゃないかと思えて

「お前、ティア、か?」

「ブヒ!」

自信を持っているのか、胸をはっている。

「でも、お前、村にいたよな?暴走、してないのは、何でだ」

「ブヒブヒブヒブヒ」

かくかくしかじかとでも言いたいのだろうか。

よくは解らないが、強固なコアの持ち主だったのかもしれない。

お吟さんがいればわかるのだがな。

「はあ」

少しだけ落ち着いた。

皆が死んだ事については、その内、話そう。

その時、恨まれる事は間違いないだろう。
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