妖魔03(R)〜星霜〜
「う、うわああああああああああ!」

ベッドを殴り続ける。

腹の痛みなど構わずに、悔しさが押し出てくる。

「何、だよ。俺は何だよ!不幸の象徴そのものじゃねえかよ!」

出向いた先々で起こった不幸は、レインや奴はもちろん、俺のせいでもある。

チャンスがあれば活かす、何もしないほうがおかしい。

だからといって、レインのやった事を認めるなど出来ない。

「う、うう、ああ、あああああああ」

耐え切れず、涙が溢れてくる。

誰かが救ってくれるなどと、思っちゃいけない。

だからといって、自分が何かを出来るわけもない。

美咲との約束、守れないような気がしてきた。

「誰も、帰ってこない」

前は向けない。

今の俺は後ろを見続ける事しか出来ない。

「ブヒ、ブヒ」

気持ちがどん底でいる時に、豚が部屋の中へと入ってくる。

「一緒の場所にいたんだな」

「ブヒ!ブヒヒブヒ!」

人語を喋る事は出来ないようで、何を訴えているのか解らない。

更にジェスチャーを見せているものの、表現が下手糞すぎて解らない。

「一体、何者なんだ?」

一人でいれば、精神崩壊を起こしたかもしれない。

だが、豚の登場によって、何とか免れている。

「お兄、ちゃん?」

豚の後ろから登場したのは、変鎖が途中で止まった状態のチェリーだった。

「チェ、リー?」

「お兄ちゃん!わああああああ!」

泣きながら、俺にアタックを決めてくる。

「ぐお」

痛みが走るが、今は構わない。

「お兄ちゃん!お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
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