妖魔03(R)〜星霜〜
何分歩いたかはわからないが、一向に変化がない。

「どれだけでかい基地なんだよ」

もう少し近い位置に裏口を作ってくれても、罰は当たらないと思う。

後ろには、豚が四つんばいになりながら歩いている。

見ている限り疲れている様子はない。

更に言えば背中にチェリーを乗せているので、足腰の強さは太鼓判を押してもいい。

「ティア姉ちゃん、お兄ちゃん、ごめんなさい」

チェリーが申し訳なさそうにしている。

「気にすんな。今の内にティアの背中で体力を温存してな」

「ブヒ」

「うん」

しかし、本当に裏口なんてあるんだろうか。

ないとするのなら、正面玄関から突破しなければならない事になる。

ここは体力のある豚に地面を掘らせて、地下から侵入するっていうのもありか。

いや、それだと、何日かかるかわかったものじゃない。

基地に地下があったとして、塀の下を潜り抜けられない場合もある。

結局は、裏口が一番安全で素早く辿り着ける方法だと思う。

「はあ、ん?」

ため息をつきなが壁に手を突いて歩いていると、すべすべの壁とは別の感触がある。

手の位置を見てみると、0から9のボタンが存在している。

「やっとか」

隣にあるのはスライド式の扉のようだ。

暗号を解けば、扉が開くというシステムになっているのだろう。

それ以前に、キーカードも必要のようだ。

「やっぱりそうなるのかよ」

今から、正面玄関に戻るのも時間がかかる。

周りから誰かが来る気配もないし、こんな森の中に出るなら正面玄関を使うだろう。

扉を破壊するしかないようだ。

破壊してアラームがなっても、いきなり大勢押しかけることはないだろう。

出会いたくはないが、ここを通らなくちゃならないんだ。
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