妖魔03(R)〜星霜〜
「よし」

俺が行動に移ろうとすると、チェリーを下ろしたティアが二足になる。

何をするのかと思いきや、蹄をボタンに打ち込んだ。

無論、ボタンは破壊されるわけで、これから起こる事も分かる。

「情報が向こうに行き渡っちまうじゃねえかよ」

ティアが焦りを見せる事はない。

何の余裕かは解らないが、果たして意味なく破壊するだろうか?

さっきは焦ってツッコミを入れてしまったが、冷静になろう。

まず、ティアの能力を考えるんだ。

ハゲーの時の事を思い出してみると、麻痺をさせるだったな。

麻痺は動かなくなるって事だろ。

まさか、人間以外の物も動かなくするというのか?

現に、誰かがこちらに向ってくる気配はないようだ。

セキュリティーシステムの作動を麻痺させたのだろう。

しかし、ティアの村には機械系等の物は一切なかったような気がする。

一か八かでやったって事なのか。

何て危ない賭けなんだ。

だが、ティアのおかげで扉を破壊するだけでよくなった。

俺が単に扉を壊すよりは、多いに役に立ったと言える。

「ありがとうな」

人間の時では考えられないけど、頭を撫でる。

「ブヒ」

一回鳴いて、扉付近から離れた。

ティアの蹄でも扉を破壊する事は出来ないだろう。

もちろん、俺の拳でも、木の枝でも無理だ。

試しに横に動かそうとして見るが、時間の無駄であった。

上から乗り上げようとしても、とてつもない高さで隔てている。

「まったく」

次に何が死ぬのか。

それは解らない。

二人の力を借りれば、何とか凌げるかもしれない。
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