不機嫌な彼
「い…痛い」
彼女は、寝起き丸出しの低い声で、薄く瞳を開ける。
「って、あら?瀬名くん?…何してんの?」
彼女はまだ、緩い思考から抜け出していないみたいで、ズレた眼鏡を直しながら、俺の存在を見つけた。
「…何してんの?それ、俺のセリフでしょ?」
眉を潜めた俺の思いっきり低い声に、彼女は、やっと我に返る。
そして、俺をマジマジと見詰めた後、僅かに考える仕草をしてから
「…はっ!!!!!病気!?」
…?
…あんたの思考どーなってんの?