不機嫌な彼
「病気でココに来た事ないし。」
俺はピクリとも表情を変えず言う。
「ふぅん…って、ここは医務室!!遊びに来る所じゃないでしょーが!!」
「元気なら来たらいけない訳?こんな所で寝ててよく言えるよね?」
「ち、ちょっと考え事してただけよ」
「ふーん?彩希はヨダレ垂らしながらイビキかいて考え事するんだ?器用だよね?」
俺はニコリと笑って、彼女の乱れた髪を直した。
「…イビキっ!?ヨダレ!?」
彼女は額を抑えてヨロヨロと立ち上がると、「…嫁入り前なのに」とボソリと呟いた。