花束
「じゃあ、叔母さんちょっと買い物に行ってくるわ。お留守番よろしくね、葉月ちゃん」
「…うん、わかった。いってらっしゃい」
これでいったん会話が途切れる。
私はご飯を食べ終わり、百合さんが出かけたあとをじっと見つめ、ぽつんとその場に立っている。
まわりの雑音が虚しく響く。
「………百合さんが帰ってきたら、ちょっと出かけて、みよっかな、」
ねこじゃらしでも探せば少しは気が紛れるかな。そう思い、二階へと上がる。
ゆいのからねこじゃらし‐ゆいのいわく花束‐をもらったあの場所へ。
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