秋霖のビ
息をしているのか、自分でもわからない。缶の中身がなくなるまで、上を見続けた。

目に入る雫が痛い。

止まない。雨が止まない。

前髪はペッタンコで横髪は頬っぺたに張り付いて、洋服だって張り付いて。

今日はメイクだってバッチリなんだ。きっと、ちょうどあの海みたいにマスカラと、アイライン。さらに薄く塗ったアイシャドーも一緒に混ざり合って、ぐちゃぐちゃだろうけど。

眉毛あるかな。

唇はさっき拭ってしまったから、くすんでいる筈だ。

邪魔な前髪を手で後にもっていく。

恥ずかしげもなく腹の底からゲップをして、一本目が無くなった。


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