復讐メッセージを送信しました。〜ナナツノノロイ〜
口が勝手に動き、すらすらとウソを並べ立てる。
その間、奈々子は涙を流していた。

刑事たちの目には、二人の友人の死を悲しむように見えただろう。

本当は、ウソがうまくつながらず、ばれたらどうしよう、という怖さからでた涙だった。

今日は、まだ精神的に不安定で頭がパニックになっているだろうから、と言われ、奈々子は一時間ほどで帰っていいことになった。

しかし、帰り際に、「明日も同じ時間に来てください」と婦人警察官に言われ、奈々子はげんなりとした。

怪しまれているのだろうか。もし、取調べのように何度もきかれたら、隠し通せる自信がない。

暗い気持ちで警察署を出た奈々子は、はっとした。

自動ドアのそばに、零が立っていたのだ。

ジーパンに黒いジャケットというシンプルな服装だが、よく似合っている。

事情をきくために、零もここに呼ばれたのだろう。
奈々子は、小さく会釈をして、通り過ぎようとした。
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