突然の幸運
「おまたせ!」


茜がはや足で部屋に入ってきた。


「そんなに慌てなくてもよかったのに」


と言いながら僕は茜の頭を撫でた。


僕のために急いで準備してくれたことが本当に嬉しかった。自然と笑顔も優しくなった。


彼女がとても綺麗にかわいらしく笑うものだから


それを見ていた僕は最初は驚いたけれど、すぐに、今までで満たされることがなかった心が満たされていくのを感じた。


「かわいいね。茜も、服も似合ってて」


そう言ってもう一度僕は愛しさを込めて撫でた。


ずっと家で一緒にいるのもいいけど、今日は二人で出かけるんだからいかなきゃね。


気をとりなおして


「じゃあ行こうか」


そうして家を出た。


必要そかうな店は調べておいていた。だから家からスーパーまでは歩いてもすぐのところにあるから二人で歩いて行くことにした。


二人でこうやって歩けるなんて本当に夢みたいだ。


茜の方を見てみると百面相をしていた。


う~ん…茜の視線を追うと何となく何を考えているかわかる気がする。


…僕と一緒に歩くことを嫌だと思っていないといいな……


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