突然の幸運
「うーん。どうしても?」


僕は聞いてみた。


でも茜を見るかぎり、茜がここで引き下がってくれそうな雰囲気では……ないね…


「どうしても!セツナだけに持たせるなんて嫌だよ。申し訳ない気がするし……」


弱ったなぁ…でも引かないだろうしな…


僕は全部持つのを諦め、茜に笑顔で言った。


「そんなこと気にしなくていいのに。じゃあお菓子の入ってるほうの荷物持ってくれる?」


茜は嬉しそうに返事をした。


でも、これだけは譲れないよ!


重いほうは僕が持つ。


こうしてスーパーを出て少し歩いたところで声をかけられた。


「あら、セツナじゃない?久しぶりね」


聞き覚えのある声だった。


僕が振り返る前に茜が声をあげた。


「えっ!」


茜は驚いて振り返ったみたいだ。


僕も振り返ってみたらそこにいたのはスーツを着た女だった。


「恭子……」


そう、取引先の社長の娘……


「あなた昨日結婚したって聞いたけどまさかその隣の子?まだ子供じゃない」


そう言ったあと恭子は茜のほうを見て、バカにしたように言った。


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