突然の幸運
茜はとても小さい声だったけれど僕にはちゃんと聞こえた。


それを聞いて僕はは茜を抱きしめた。


嬉しすぎて本当に泣けそうだよ。


「わっ!セツナ?」


茜は突然抱きしめたせいで驚いたみたいだ。


「嬉しいよ。茜がぼくのものになってくれるなんて」


「この恋は叶わないと思っていたんだ」


「どうして?」


茜は不思議そうにしている。


「歳も離れてるし接点も無かったからね」


僕はこんな話をするなんて思ってあなかったので恥ずかしい。


「この結婚もしびれを切らした両親が持ってきたんだ。今まで散々断ってきたからもう逃げきれなくてね。受けたんだ」


こんなこと言ったら嫌われちゃうよ…


直視できなくて下を向いて話した。


「でもね、それが嬉しい誤算だったんだ」


今度は顔を上げて笑顔で話した。


「結婚相手が茜だったんだ。それを知ってからは結婚の話に意欲的になったから両親もこれを逃しちゃいけないと思ったのかな?あれよあれよというまに話はまとまっていったよ」


「私そんな話聞いてないよ」


茜はかなり驚いている。


今日で僕の印象すごく悪くなっているような……
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