タナトスの光
ケガなどは、することはないと分かっていた。
そう分かってはいても、僕はなぜだか目をつぶってしまっていた。

ゆっくりと、目を開くのと同時に。
涙が筋を描いて、頬を伝っていった。

彼の姿はもう、どこにもない。

睡眠薬入りの巾着袋を、台の引き出しの中に戻すと。
僕はベッドにゴロンッと寝転んで、涙を拭いた。

置時計を見ると、夜中の三時。

もう遅い、明日から始めてみよう。

そう思いながら。
なじんだこの生活から抜け出せずに、三日が経った。

四日目の夜。
なんとなく僕は、パソコンの前に座って、言葉を紡ぎ出し始めた。

一つ目のお話は、リストラされた中年男性の物語。

二つ目のお話は、寂しい気持ちを抱えた女子高校生の物語。

三つ目のお話は、自室に引きこもったままの男性の物語。

それぞれが死へと向かう気持ちを持ったときに、ふいに現れる不思議な人物。

タイトルは、そう。
僕は少し考えてから。
“タナトスの光”にしよう。

このままなにも、変わらないかもしれない。
でももう少し、待ってみよう。

時間はたっぷりあるのだから。

パソコンの画面の中で、つたない文字たちが躍り始めていた。

<終>





~あとがき~

暗い内容ばかりのお話で。

書いている自分も。

かなり暗くなってしまいました><

それでも最後に。

希望というか。

光を感じてもらえたなら。

とても嬉しく思います^^

最後まで読んでくださり。

ありがとうございました!

感謝の気持ちを込めて。

ロイぽん
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