みどりちゃんの初恋

 うひょー。探すのたいへーん。

 今年のが一番右なんだから、左に行くにつれて古くなるんだよねえ?……だったら、一昨年のは右から3番目のはず。

 ………あった! けど、届かないぃ。

 短く息を吐いてから勢いよくジャンプ!

「………っ」

「………ぶっ!」

「……………」

 くるりと半回転し、三人を見やるあたしは、腰に手をあてて仁王立ち。

「ばかーっ! 笑いたかったら笑えばいいじゃんっ! もうっ」

 じろっとちぃと雄太郎を一睨みすれば、ダム決壊のごとく雄太郎はゲラゲラ笑い始めた。

 確かに! 身長は小さいとは思うけど!一応っていうか、かなりのコンプレックスで気にしてるんだからっ。

「ふふふっ。ホント、みどりったら可愛いんだから。
タク、取って上げて」

 無愛想。

 そんな言葉が似合っちゃうようなヒロっちは、静かに立ち上がった。

 再び本棚と向き合ったあたしは、見つけた資料を指を差す。

 背後に気配を感じたのとほぼ同時に、にゅっと長い腕が伸びて、それを引き出した。

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