境界
 史彦が職場である英会話教室を出たところ、
目の前に一人の男性が立っていた。

「史彦君!」

 とその男性に声をかけられた。
 幸子の父親である勝雄だった。
 勝雄がこんなところに来るのは、はじめてのことだった。

「あっ、こんばんは、お父さん。」

「こんばんは、史彦君。」

「どうかされましたか?」

「ちょっと、時間いいかな?」

「はい。」

 そして、二人は近くの居酒屋に入った。
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