境界

吾郎の更なる真実

 吾郎は、幸子以外にも不倫をしていた。

 吾郎の妻である智美は、
普段から、夫が浮気をしても平気だと
公言していたが、
実は、プライドが高く、
言っているほど寛大な女ではなかった。

 幸子が出た次の行動は、
吾郎への直接の復讐ではなく、
吾郎の不倫相手の旦那に、
妻が不倫をしていたことを
バラすことであった。
 そうすることで、
吾郎の敵が増えると考えた。
 
 そして、次の手段も考えていた。
 もし、不倫相手の旦那が
幸子が思うな動きをしてくれなかった場合には、吾郎の家の壁に落書きをするつもりであった。

「妊娠させておいて、逃げる卑怯者。
中絶させておいて、赤ちゃんを返して。」

 既にこの時点で、吾朗の子供たちも、自分の父親が何をしたのか知ってしまっていた。
 当然、妻の智美も。

 やがて、吾朗と智美は離婚をし、子供たち兄弟もばらばらになった。



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