俺様のカゴの中
それにしてもコイツ、警戒心ってもんがねぇのか?



初対面の男の車に躊躇なく乗ったりして。



それともただの世間知らず?



「新島 留宇と言います」

「俺は雷。氷流 雷」

「ステキなお名前ですね。雷さんにお似合いです」



うわぁ~…。



今までこんな女相手にしたことねぇよ。



どうすりゃいいんだマジで…。



「どこに向かってるんですか?」

「クラブ」

「クラブって?」



知らねぇのに着いてきたのか…。



まだオープン前の店舗で改装中だから客もいねぇけど。



「お前、俺に着いてきてヤバいとか思わねぇの?」

「虎宇のお友達ならイイ人ですよね?」

「俺と虎宇は友達じゃねぇ」

「えっ?でもあたしを雷さんに預けましたよ…?」

「厄介払いだろ?」

「やっぱり虎宇に着いて来ちゃいけなかったんでしょうか…」



それから留宇は勝手に話し始めた。



ガチガチに堅い家の中のこと、つまらない学校のこと。



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