俺様のカゴの中
ただ今の生活から抜け出したい。



今日留宇が外に出た理由はそれだけだった。



「このまま好きでもない人と結婚して…。そう考えると自分って何なのかわからなくなっちゃって」

「よく喋る女」

「あっ!!ごめんなさい…」



留宇の話を聞いてたらクラブに着いた。



工事中の店内に入り、一足先に完成してる俺のオフィス。



留宇はずっとキョロキョロしていた。



「なにするんですか?」

「何に見える?」

「お仕事…ですよね?」

「騒ぎてぇなら他行け。その辺の飲み物好きにして…」



って、酒しかねぇか…。



めんどくせぇガキ…。



待ってろと言ってクラブから出た。



財布に小銭が入ってなくて近くのコンビニ。



2、3本の飲み物を手に取った。



「雷さんがソフトドリンク?珍しいっスね」

「客来ててな」

「セフレスか?」

「…………幼稚園児ってとこ」

「こんな時間に!?459円っス」



コンビニのバイトは顔見知り。



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