*SWEET LESSON*








「別れて欲しいの」





昼休み、屋上で大和にそう告げた。



だって、早く言えってあいつが言ったんだもん…。


言いたくなかったからこそ余計に、このタイミングが一番良いのだと実感する。



後へと伸ばすにつれて、きっと


決心が鈍ってしまうから。




爽やかな風が大和の髪を撫でるように通り過ぎて行った。


彼は眉をピクリとさせ


そして―――――――――




「ばっかじゃねーの!?」



って


「はッ!?」



再ッ高にバカにした目であたしを見降ろしていらっしゃるぅぅ!!!



「お前、そう言えって言われたんだろ」


「え!!何で分かるのっ」


…しまった。これじゃあ自分から言ったも同然だ。


だけど、本当に何で分かったんだろう…




「…あの女がさ、お前と俺の事を調べ上げたらしくて。

『私とお付き合いしないと、バラしちゃいますよ?』とか言ってきやがって。


好きにしろって言ったから


絶対にお前を脅してくるだろうと思ったんだ」



分かりやすいヤツ



なんて、さらりと自分たちの危機を説明してましたけどー!!?


「好きにしろ なんて!バレたらどうなるか、分かってるんでしょうッ!?

良くもそんな事が…ッ」


頭、イタイ。



「だって、いい加減ムカついてきたんだもん」


だもん じゃないっつーの!!!!


「……大丈夫だよ。お前だけは守ってやるから」



どうやって守ってくれるのか、説明してほしいんですけどね!


全く…これだから自信家は困るッ!!




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