夢

出会いと…

「藤井涼です。」


担任が黒板に名前を書く。


この時間を経験したのは人生で3度目だ。




「じゃあ、藤井君はあの席に座ってね。窓側の一番後ろの…」


列の間を通り抜けていく俺の背中に、視線が突き刺さる。


「えっと、皆さん知ってると思うけど、藤井君は事務所所属でテレビにも出るような人です。皆さんもう中3ですから分かると思いますけど、この学校にいることとか、住所とかメールアドレスは、絶対に外に漏らしたりしないでくださいね。」


このセリフを聞くのも3度目、引越しも3度目、転校も3度目……


「じゃあ、皆さん仲良くしてあげてくださいね。」



こうして、青葉学園の俺の中学校生活は始まった…。