「…もしもし?」



滅多にかかってこない家の電話の受話器をとった。




「あぁ、藤井君?」


「あぁ、はい。」



どうせ今日の説教だ。


切り出されたところで電話を線ごと切ってやろうとしたら、切り出されたのは別の話だった。





「姫野さん見てない?」





雨が、降り始めていた。





***
「はぁ…はぁ…はぁ…」



屋上まで階段を一気に走った。


もしかしたらいるかもしれない…



「(昼休み俺が行かなかったから…!)」



藍希が死んだらどうしよう…


俺の所為だ、俺が……




「藍希!!」



俺は、勢いよくドアを開けた。


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