「藍希!!」




返事はない…


「藍希!藍希!!」


屋上を走り回った。



「(いない…)」


だとしたらこの間のやつらにやられたか…それとも……



「っ、藍希!藍希!!」


途端に心配になって、ただ名前を呼び続けた。


すると、



「藤井君…?」



あの声がした。


「藍希!!」



声がしたほうに駆け寄ると、口元に血の跡がある藍希がいた。



「どうしたんだよ…」


「藤井君こそ、どうしたの??」


「こんな…血が……」


「大丈夫、いつものことだから!」



藍希はにこっと笑った。


顔がいつもより腫れている分、痛々しかった。



「…ごめん」


「藤井君が謝ることじゃないよ、呼び出されるようなことした私が悪いんだもん。」


「………」



いつものように笑った藍希が、すごく健気な感じがした。


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