「デートしようよ!」



聞こえてから、耳を疑った。



「で、でーとっ?!!」


「そう、デート。」


「そ、そんなっ…どこ行くんだよ、だいたい藍希、体調悪いって…」


「大丈夫だよそんなの。私こう見えても結構体力あるの。」



どこが。



「そんなっ、デートなんて、そんなっ……」


俺の頭の中では、完全にデート=ベ……ベッド…


という…方程式が成立していた…。



「ねぇっ、いいでしょ?」



「だ、いや、そんな…っ」



「ねぇお願い!!私どうしても涼君とデートしたいの!!」




そんな顔で見られたら…、断るもんも断れない………。




「っ…あぁー、もう…。わ、分かったよ…」



「やったぁ!!じゃあ今度の日曜日、空いてる?」


「日曜は撮影が……」


「じゃあ、土曜日!!」


「土曜日でもいいけど学校……」


「大丈夫!」



何が大丈夫なんだか。


「休めば平気だよ!じゃあ、土曜日の朝9時、駅の改札で待ち合わせね!」


「あ、あぁ、うん…」



人生初の、デートだ………。




…どうしよう…。

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