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夜になった。



部屋は暗い。


隣の部屋には藍希がいる。



これだけ条件が揃えば、俺が寝付けないことにも理由がつく。



「(ちくしょうなんで………)」


こんなことになろうとは思わなかった。


モラル上の問題で部屋は別々にしたけど、今度は別の問題が発生した。



隣の部屋にいるのに隣にはいない―――――



俺だって男だ。


好きな子の寝顔くらいは拝んでみたい…



「(藍希もう寝たかな…今何時だろ……あー目が冴えてくる…)」


これじゃもう不眠症と変わらない。


寝よう寝ようと思う程目が冴えてくる。



「(……羊でも数えてみようかな…)」



俺らしくもない…。


たった一人の女の子のためにここまで影響されるなんて……


「(…俺、藍希にベタ惚れなんだ……)」



改めて自覚させられた。



ホントに好きなんだ…。



「(恋…かぁ……)」



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