夢
ぎゅっ
「ぁっ、涼君……」
放したくない…
離れたら――――
「藍希……」
「…涼君?」
藍希の方が怖いと思うのに…
俺の方が怯えている…。
「藍希…藍希……」
馬鹿みたいに名前を呼び続ける。
離れたら、一生俺に向かって笑ってくれない気がして……
俺の目の前から消えてしまう気がして……
「…馬鹿だな、俺……」
「………?」
「藍希を元気付けなきゃいけないのに…」
「…………」
「俺の方が……」
情けない…
男らしくないな……
「…いいの」