ぎゅっ



「ぁっ、涼君……」


放したくない…


離れたら――――



「藍希……」


「…涼君?」



藍希の方が怖いと思うのに…


俺の方が怯えている…。



「藍希…藍希……」


馬鹿みたいに名前を呼び続ける。


離れたら、一生俺に向かって笑ってくれない気がして……


俺の目の前から消えてしまう気がして……



「…馬鹿だな、俺……」


「………?」


「藍希を元気付けなきゃいけないのに…」


「…………」


「俺の方が……」



情けない…


男らしくないな……




「…いいの」


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