恋口の切りかた
「どうぞご存分にお楽しみを」
兵五郎が軽く肩をすくめてそう言って、再び廊下の先へと俺を促した。
隼人を残してその場を後にする間際、
「隼人。俺からも一つ、上役としての命令だ」
俺はまさにこれから命のやり取りを始めようとする年上の部下に、命じた。
「死ぬなよ。俺は、あんたのことは気に入っているんだからな」
その背中からは、いつもの軽口を叩くような答えは返ってこなかった。
代わりに小さく、笑うような気配だけがした。
対峙する二人の剣客の姿を目に焼き付けて、
俺は背を向け、兵五郎の後を追った。
兵五郎が軽く肩をすくめてそう言って、再び廊下の先へと俺を促した。
隼人を残してその場を後にする間際、
「隼人。俺からも一つ、上役としての命令だ」
俺はまさにこれから命のやり取りを始めようとする年上の部下に、命じた。
「死ぬなよ。俺は、あんたのことは気に入っているんだからな」
その背中からは、いつもの軽口を叩くような答えは返ってこなかった。
代わりに小さく、笑うような気配だけがした。
対峙する二人の剣客の姿を目に焼き付けて、
俺は背を向け、兵五郎の後を追った。