恋口の切りかた
「エン、駄目──っ!」

留玖が悲鳴を上げて──



刀のぶつかり合う音が響いた。



俺の刀を受け止めた信じられない人物に、俺はあんぐりと口を開けた。


「留玖……?」


霧夜を庇うように立ちふさがって、俺と刃を合わせていたのは、花柄の着物に身を包んだ少女だった。


「何の冗談だよ、留玖……?」

引きつった笑いが浮かぶのを感じた。

「お前、なんでそんな奴を庇うんだ?」

「エ……エン、これは、その……違うの」

留玖が必死な様子でそんなことを言った。

「違う……?」

何が、違うんだ?

理解できなくて、俺は留玖を見つめて、

留玖は困った顔をして、言葉を探すような素振りを見せて、



俺はまた頭に血が上るのを感じた。



「おいって! 留玖、どういうことだよ!?」

思いがけず大声が出て、怒鳴るような言い方で俺は詰問した。
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