恋口の切りかた
「ええと、私は留玖です」
怖ず怖ずと留玖が名乗って、「はあ!? おつるぎ様!?」と帯刀が声を上げ、俺を凄い目で睨んだ。
つうか、何度も顔つき合わせて、隼人も「おつるぎ様」と呼んだりしてたのに、こいつ未だに気づいてなかったのかよ。
「とにかく、この人は白輝血ではありませんっ」
留玖が言い張って、帯刀が困惑したように俺を見た。
俺も無言で軽く頷く。
「はあ、左様ですか。……ご無事で何よりです」
帯刀は納得したようなしてないような様子だったが、そう言って引き下がり、他の同心たちの指揮に戻った。
目を細めて留玖を見下ろして、ふふっと与一が微笑を作った。
「ありがとな」
隻眼の美丈夫は留玖の耳元に整った唇を寄せてそう囁いて──
留玖がうつむいた。
心なしか、その頬が赤く染まっているのが、部屋の灯りと明け始めた外の光に照らされてわかった。
……え?
る、留玖?
俺の中で言い知れぬ不安が湧き起こった。
怖ず怖ずと留玖が名乗って、「はあ!? おつるぎ様!?」と帯刀が声を上げ、俺を凄い目で睨んだ。
つうか、何度も顔つき合わせて、隼人も「おつるぎ様」と呼んだりしてたのに、こいつ未だに気づいてなかったのかよ。
「とにかく、この人は白輝血ではありませんっ」
留玖が言い張って、帯刀が困惑したように俺を見た。
俺も無言で軽く頷く。
「はあ、左様ですか。……ご無事で何よりです」
帯刀は納得したようなしてないような様子だったが、そう言って引き下がり、他の同心たちの指揮に戻った。
目を細めて留玖を見下ろして、ふふっと与一が微笑を作った。
「ありがとな」
隻眼の美丈夫は留玖の耳元に整った唇を寄せてそう囁いて──
留玖がうつむいた。
心なしか、その頬が赤く染まっているのが、部屋の灯りと明け始めた外の光に照らされてわかった。
……え?
る、留玖?
俺の中で言い知れぬ不安が湧き起こった。