恋口の切りかた
私や円士郎、そして蜃蛟の伝九郎にもあって隼人にないものがある。
だからあのとき私は、伝九郎と命を賭した勝負をすれば隼人には敗北が訪れるのではないかと感じた。



隼人には──



人を斬った経験がない。

本当に命がけの──真剣勝負をした経験がない。



そのことは、絶望的な結果を予感させた。


ちょっと困った顔で私の頭をなでてくれた、
あのどこか捉え所のない、達観したような若い侍の笑顔を思い浮かべながら、

私は円士郎に続いてその部屋に飛び込んだ。



(※次ページに進む前に、外伝「かげろうの殺しかた」を最後までお読みいただくと話が繋がります)
< 1,203 / 2,446 >

この作品をシェア

pagetop