恋口の切りかた
白昼のもと、兵五郎の後ろの道端に立っている白い狐の顔の店主は、
あの橋のたもとで虎鶫の子分が焼け死んだ時にも、野次馬の中に俺が見た狐面の男に間違いなかった。
そして、おそらく──
「こいつこそが、人間を焼き殺す仕掛けを作り、鳥英のもとに『人形齋』と名乗って絵の依頼をしに来て、鈴乃森座にも出入りしていた──
──俺たちが追いかけていた男だ」
与一が強ばった表情で白い狐面を眺めた。
俺の言葉を肯定するように、行く手に立った若い貸元はせせら笑い、
「その仕掛け、今からてめえらに味わわせてやるよ」
と言って、
「やれ」
背後の狐面に短く命じた。
キラキラと民家の屋根が光り輝く中、のどかに時の鐘の音が届いて
しばしの時間が流れた後、兵五郎の笑いが引きつった。
「おい! どうなってる!? どうして何も起きねえ!?」
狐の屋台を振り返り、噛みつくように貸元が怒鳴って、狐面が焦った様子で手元をなにやら動かしていた。
細い糸のようなものが、その手元から屋根へと伸びているのがかすかに見えた。
「ククク……残念だったなァ」
慌てふためく連中を眺めて、俺は低く笑った。
あの橋のたもとで虎鶫の子分が焼け死んだ時にも、野次馬の中に俺が見た狐面の男に間違いなかった。
そして、おそらく──
「こいつこそが、人間を焼き殺す仕掛けを作り、鳥英のもとに『人形齋』と名乗って絵の依頼をしに来て、鈴乃森座にも出入りしていた──
──俺たちが追いかけていた男だ」
与一が強ばった表情で白い狐面を眺めた。
俺の言葉を肯定するように、行く手に立った若い貸元はせせら笑い、
「その仕掛け、今からてめえらに味わわせてやるよ」
と言って、
「やれ」
背後の狐面に短く命じた。
キラキラと民家の屋根が光り輝く中、のどかに時の鐘の音が届いて
しばしの時間が流れた後、兵五郎の笑いが引きつった。
「おい! どうなってる!? どうして何も起きねえ!?」
狐の屋台を振り返り、噛みつくように貸元が怒鳴って、狐面が焦った様子で手元をなにやら動かしていた。
細い糸のようなものが、その手元から屋根へと伸びているのがかすかに見えた。
「ククク……残念だったなァ」
慌てふためく連中を眺めて、俺は低く笑った。