恋口の切りかた
とっさに身を捻って──


──刹那、俺の目に信じがたい光景が飛び込んだ。



「エン!!」



それは悲鳴を上げ、転がり出てきた留玖の姿だった。



着物の袖をひるがえし、俺を庇って天照の前に立ちはだかる少女を視界に捉え、

俺は一瞬前よりも何倍も大きな戦慄に襲われて──



その横で、与一の体が弾き飛ばされた。

侠客を突き飛ばして死の輝きの先に立った金の髪の男は、緑色の目で俺を見たまま、悲しげに微笑んでいた。



留玖! 遊水!



声にならない。

意識の端で俺は二人の名を叫び──


< 1,226 / 2,446 >

この作品をシェア

pagetop