恋口の切りかた
「エン……?」

びっくりして、円士郎の顔を見ようとしたけれど、

「クソっ……」

小さく毒づいて、
円士郎がまた腕の力を強めて、
私は抱きすくめられたまま、身動きがとれなくて

「死んだかと思った……!」

体の震えが伝わったかのように、円士郎は声を震わせた。


「お前を失ったら──俺はどうすりゃいいんだよ……!」


抱き締められたまま、円士郎にそう言われて──

そんな風に心配されて──





どうしよう、と思った。





おつるぎ様は、その誰かと誰かが抱き合ってるのを見て、どうしてそんなに取り乱すほど、嫌な気分になったんですかね?

耳の奥で、一昨日に聞いた隼人の言葉が蘇った。


ヤキモチ焼いてくれたってことじゃないのか?
留玖、お前、俺のこと……

記憶の中の円士郎の声が頭の中をぐるぐると回って、


違う!

そんなわけない!


必死に否定しようとすればするほど、私の中で大きくなっていった思いが、

抑えきれずに溢れて、涙がこぼれた。
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