恋口の切りかた
ずっと心の奥に追いやって、打ち消そうとしてきた自分の気持ちを思い知った。


円士郎は兄上だ。

私なんかが好きになっていい相手じゃない。

恋していい相手じゃない。

円士郎を思い人にするなんて、私を養女にしてくれた父上や母上に対する裏切りだ。


でも、
だけど、
いくら心にそう言い聞かせても


こんなに円士郎のことが大好きなのに……


彼への思いを消せるわけがなかった。


「頼むから、こんな真似はもうするな……!」


今も私を抱き締めてそんな言葉をくれる。

いつも私のことを心配してくれる。

いつも私に温もりをくれる。
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