恋口の切りかた
私は目を見開く。


強い意志の宿った切れ長の目。

不敵に吊り上がった口元。


「本性現しやがったな」

清十郎に向かってそう吐き捨てる声も。


何もかもが懐かしい。


刃を手にして、突如としてその場に現れた若者は、


「よォ、左馬允様。
この不埒者は俺が成敗してやるよ」


ニヤリと笑って、私の背後にそう声をかけて


「円士郎……!」


私の背中から、殿が彼の名を口にした。



エン──!
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