恋口の切りかた
「うっ……」という声を上げる者、

思わず顔を背ける者、


その中で、

私と円士郎、
隼人と帯刀、
それに殿は、

覆面の下から現れた顔を、ぽかんと眺めた。


「ば……馬鹿な……」

清十郎のうろたえた声が聞こえた。



顔面の半分以上を覆い尽くす、焼けただれた無惨な火傷の跡。

鼻と唇は焼け崩れて原型をなくし、

頭皮にまで及ぶ生々しい火傷の跡のせいで毛髪すらもほとんど残っていないが、それでもまばらに生えた髪の色は──黒。

唯一無事に残っているのは目元周辺のみで──

その瞳の色も、明るい日差しの下、どう見ても黒いことがわかる。



私は目の前の人物をまじまじと見つめて──



ええと……



……誰?



覆面の下にあった崩れた男の顔は、
見知った金髪緑眼の美青年とは似ても似つかぬ別人のものだった。
< 2,047 / 2,446 >

この作品をシェア

pagetop