恋口の切りかた
互いに無言で見つめ合ったまま、激しい息を整えて──


留玖の呼吸を体の下に感じながら、俺は何をしているのだろうと思った。


俺の両腕をへし折ってまで、生きて欲しいと願う愛しい少女の喉に、こうして真剣をあてがって──



「わかってたよ……」


留玖の体から力が抜けて、

彼女は涙をこぼしながらそう言って俺を見上げた。


「エンとは数え切れないくらい勝負を繰り返したけれど、こうして真剣で、本気で斬り合ったことは一度もなかった──」


留玖が何を言い出したのかわからず、俺は黙って彼女を見つめて、


「真剣で斬り合えば、私はエンに勝てない……。

初めから、わかってた」


俺はのろのろと、
少女の腕を戒めている手足をどけて、刀を喉から離した。
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