恋口の切りかた
そしてそう思うと同時に

無意識に私の頭は考えている。

この大人とどう戦うのか。

不利な点は体重差、身長差、技術差。
有利な点は武器、人数、子供相手の油断、そして相手の心理状態。



そんな私の横で漣太郎がクソ、と小さく毒づいた。

「あんた、何のマネだ……!」

「晴蔵殿を──晴蔵殿を今すぐ呼んで来てくれ!」

「こんなマネしなくても、結城家も荷担したんなら一蓮托生(いちれんたくしょう)みてえなもんだろうが!」


りつ様に切っ先をつきつける堀口に向かって、必死にそうさけんだ漣太郎を見て

私は、彼と自分の違いに気づいた。



すぐさま相手との戦い方だけに──仕留め方だけに考えをめぐらせた私に対し、

漣太郎はこの場を収めることを第一に考えている。


これは……この差は……何だろう。



はじめて思った。

私と、漣太郎は違う。
決定的に。
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