恋口の切りかた
私は顔を出して、暗い気持ちで天井を眺めていた。

どうしたら良いのかな……。


頭が痛むばかりで考えは何もまとまらず、
しばらくして、再び襖が開いて──顔を出した人物に

私は硬直した。



「よ。風邪だって?」

屈託なく笑って、鍋とお椀を抱えて、

部屋に入ってきたのは円士郎だった。


「エン──」

再び布団の中に顔の半分を引っ込めた私の横に、円士郎は無遠慮にどっかと腰を下ろして、

「お粥持ってきてやったぞ」

と、言った。



「……いらない」

「母上が自分でわざわざ作って、俺に持って行けっつったのにか?」

「…………食べる」


もぞもぞ上半身を起こす私を見て、円士郎は満足そうに笑った。
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