恋口の切りかた
「よくわかった」と、虹庵が頷いた。


「両者の意志を尊重しよう。
決着は着いていない。勝負を再開しなさい」


「っしゃ! ってワケだ宮川鬼之介新三郎三太九郎太郎五郎衛門之進」


俺が言うと、

驚愕の表情を浮かべていた鬼之助はフン、と鼻を鳴らして、
再びその顔に不敵そうな笑いを作った。


「威勢は良いが、貴様その状態でどうする気だ?」

う……!

そう、それが問題だ。


俺にしてみれば発明の仕掛けより、
この「心の一方」のほうが余程反則技に思える。


とにかく何とか動けるようにならねえと……


「勝負再開とくれば、ボクとしても負けてやる気はない」

言い放つと、鬼之介は鎧の腰の紐を引いた。


「カラクリ鎧、戦闘形態!」


言葉と同時に




シャリン、という耳には涼やかな音を立て


目には非常に凶悪な変化を見せつけて、




鎧の全身──ありとあらゆる場所から無数の刃が突き出した。

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