恋口の切りかた
クソ、俺が話す番になると、留玖は俺から離れて鳥英のほうに抱きつくんだよなァ。

まあ、仕方ねえけど。


「ほほう、それはまた因果応報というか……不思議な話だな」

怯えまくる留玖とは対照的に、鳥英はよしよしと留玖の頭を撫でながら、興味深そうに頷いた。

──うぐっ!?

風佳も隣に座った冬馬にしがみついているのに、この女だけは一向に俺の話にも怖がる気配を見せず平然としている。

鳥英も怖がらせてやろうと、俺は密かに挑戦を続けていたのだが……


よくある幽霊話とは少し趣向を変えてみたが、こういう話でもダメか。


「そんな不思議があるのかわからないが、その男の周りだけでは時間の流れがくるりと環のようになって──この世界というものが少し狂っているということかもしれないな」

鳥英は単に面白そうにそう言っただけだった。


おのれ。
学者ってのは──つまらねえな。


「時の流れ……世界というものが狂っている……か。そういう話なら、ボクも一つしてやろうか」


鳥英とは対照的に、何やら怯えた青白い顔で口を開いたのは鬼之介だった。


「お。次は鬼之介か。いいぜいいぜ」


俺が促すと、鬼之介は蒼白になったまま、何故だか小刻みに震えながら、ぽつりぽつりと話し始めた。
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