君があたしにくれたもの

その時、二の腕を誰かがガシッとつかんで、グイッと持ち上げられた。

あたしはびっくりして顔を上げた。
そこには坊主頭の背の高い男の子がいた。
少しの沈黙が続く。

「えっと、大丈夫!?」
先に口を開いたのは彼の方だった。
驚いた顔をしている。
「あ、はい。すいません。ありがとうございました」
あたしは恥ずかしくなって、顔を伏せながら体勢を整えた。
「あ!すんませんっ、腕っ」
そう言って彼は慌ててあたしの腕を離した。
あたしは階段を一段下がって、彼と距離をとった。
背が小さいあたしにとって、一段下がって見上げた彼はさらに大きく見える。
あれ?この人って…







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