【短】涙が出るほど好きだった
「あーあ。今日もかっこいーな奏くん…。」
「こらッ!」
「ふぇ?」
「なぁーに彼氏に見とれてんだよっ!あぁーんな美人なライバルがいるのにのんきだねー。」
「優子ちゃん?」
窓からサッカーしている奏くんを見つめていると、
優子ちゃんは香織さんに指をさしながらいった。
森田 優子はあたしの親友。
同い年と思えない外見と性格。
あたしと正反対なのになぜかいつもそばにいてくれる。
「いーの。だって香織さんには彼氏いるし…。」
自分でも動揺してるのがわかるくらい。
「へー。そーなんだぁ♪でものろのろしてたらとられちゃうよぉー♪」
それを分かってか、やんわりアドバイスしてくれる彼女。
「あーりがとぉ…。」
なんだかまんざらでもなくうけとって、先生に頼まれた資料を準備室に運ぶ事にした。
「いってらっしゃいー♪」
「んー。」