【短】涙が出るほど好きだった
でも必ず一瞬だけ。
一瞬だけその顔をして
いつも見せてる笑顔をみせて優しい声で問いかける。
そう、つくったその表情で。
「…奏の彼女サンだよね?」
「…はい…。…えっと奏くんの幼なじみの…。」
「香織。」
そう自分の名前を声に出しまたにっこりと笑う。
「…香織さんも…か、彼氏いるんですよね?」
彼氏がいるって知っていたのに、
ついつい聞いてしまう。
香織さんは奏クンのことが好きじゃないって確かめたくて。