【短】涙が出るほど好きだった
~奏side~
柚姫にキスされた。
”―「奏君……大…好……き…だったよ。」”
さよならって言われた。
柚姫のことなんて
心の穴を埋めてくれるいい奴としか思ってなかったはずなのに。
可愛いやつだとはおもった。
でもそれでも香織が好きだった。
”―「次の恋愛あたしとしてみませんか?」”
なのにさっきからずっと、
ずっと柚姫の泣き顔が頭から離れない。
あいつはずっと
俺がまだ香織を好きなことを知ってた。
知って、俺と一緒にいた。
無償に胸がつかえた。