カゴの鳥
2.王立アカデミー
――あの事件から10年の月日が経った――


僕は今、王立アカデミーに通っている。


王立アカデミーはあの事件以来現れるようになった魔物と対抗するために事件の翌年に作られた学校だ。


8年制の学校で13歳から20歳の男子が通う。


1、2年生は基礎知識などを勉強し、3年生からは実際に任務を受け、魔物と対峙する。


3年からは専門分野を専攻する。


種類としては、武器を持って戦う人が入る武器科、武器の整備をするメンテナンス科、戦略科などがある。


僕は魔法科の白魔法専攻だ。


白魔法はキズの治療や結界など補助的な魔法が多い。


僕は今年で3回生になった。


今日はパートナーとの初顔合わせの日だ。


学長室の前まで来てノックをした。


『はい』


中から返事が聞こえた。


「失礼します。3年魔法科の北条 利都です」


部屋に入ると学長先生と一人の男がいた。


男の方は長くも短くもない髪の長さの細身の男だった。


「あぁ。よく来たね北条君、さっそく説明にうつろうか」


そう言って学長は男の方を向いた。


「彼は「学長ここはじぶんで…」
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