カゴの鳥
5.訓練
訓練場に出るとばかでかい声が聞こえた。


「南 伊織!待ちくたびれたぞ!!俺に恐れをなして逃げなかったことは誉めてやろう」


…………


僕が絶句していると呆れたような真木の声が聞こえた。


「先~輩、おれたちが早くからスタンバイしすぎなんすよ~」


「真木は五月蝿い!」


「……へぇへぇ」


うわぁー真木投げやり……


「……篠原後輩にその言いぐさはないだろ……」


先輩も呆れ気味だ。


「南、お前の隣にいるちっこいのが新しいパートナーか?」


先輩の言葉はまるっと無視して、突然篠原先輩が僕の方を見た。


「はじめまして、3年魔法科の北条 利都と申します。今日はよろしくお願いします」


「別にアイツにあいさつなんていいのに」


「でも僕はじめて会うし……」


「まっ、律儀な感じが利都ちゃんっぽいか♪」


先輩は笑いながら言った。


先輩と少し話していたら篠原先輩に話しかけられた。


「魔法科ってことは真木と同じか?」


「はい、同じクラスです」


「ふーん、クラスメイト同士の戦いね。それぞれの所属も同じで。面白そうだ」


篠原先輩がニヤリと笑っている。


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