カゴの鳥
「あっ!あと名前な、呼び捨てで構わないぜ。オレ堅っ苦しいの苦手なんだわ」


「先輩が言うならそうさせてもらいます」


「よしっ!じゃあ、明日ね」


「はい。それでは失礼します」


挨拶をして僕は自室にもどることにした。


だから気づかなかった先輩が僕のほうを見て――


「おとこ…か……?」


と呟いていたことに…


――一方利都は――


部屋にたどり着いた。


「やっと…やっとアイツを探すことができる」


「待っていてとうさま、かあさま、利都……必ず戒斗を殺してみせるから……」


家族の写真を抱きしめながら僕は呟いていた。


目を閉じるだけで今も鮮明にあの日の映像を思い出せる。


―最初の頃は何度一緒に殺してくれなかったのかと思ったな……


今はもうそんなこと思っていないけれど


そう言えば


「伊織は使いものになるのかな…?あんなヘラヘラした人」


僕は考えていた。


「ヤツの手がかりを捜すために白魔法を専攻したんだ。攻撃担当の人間は強いなら強いにこしたことはない」


そこまで言って学長先生の言葉を思い出した。


――二人ともかなり優秀だから――

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