キラめく堕天使
もう一人のゴブリンは歌うように言って部屋を出た。

 黄色くちばしは、残って、槍をオレの膝の上のランプの柄に引っ掛けて、それを持ち去った。

 ランプが遠ざかるにつれて、オレからオレンジ色の明りが遠くなり、オレは闇に飲み込まれていった。

 身体中から急速に力が抜けて行くのが分かる。

 オレはもう暗闇を目に写すことしか出来なかった。

 ドアが閉まり、オレは漆黒の闇の中に、黄金や宝石と一緒に閉じ込められてしまったのだ。

 彼らの、コレクションに加えられたのだ。

 オレは意識があるまま、ここに永遠に縛り付けられてしまうのか?

 それなら、いっそ、意識も奪ってくれ。傀儡になった方が、楽だ!!

 オレは、これからずっと過ごさなくてはいけないらしい暗闇で、もう、苛々してきた。

 このまま発狂してくれれば楽なのに。

 しばらくはそうなりそうもなかった。

 どうするんだ?

 これではルナやジュランを助けることは出来ない。

 それどころか、永遠の闇に閉じ込められてしまうのだ。

 そんな状況下なのに、我ながら呆れたことに、しばらく眠ってしまっていたらしい。

 誰かに呼びかけられて、目が覚めた。

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